先月、東京出張の際にコンラッド東京に立ち寄りました。
コンラッド東京に訪れたのは3年ぶり。
実は、私がホテルを好きになったきっかけの場所でもあります。
コンラッド東京にはじめて訪れたのは2006年。
コンラッド東京が誕生して1年経ったころ。
もう10年以上前になるんですよね…
当時、大学2年生だった私は、
人間関係にちょっと傷ついて、悩んでいました…
今、振り返ると、本当に可愛い悩みだったと思うのだけれど、
大学生の私にとっては、やっぱり一大事で…(笑)
「本当の自分って何だろう?」
「いつも笑顔でいたいのに…なぜ?」
「これからの人生において、私はどう生きていくのか?」
と、止めどなく溢れてくる疑問で自分を苦しめていました。
そんな私がたどり着いたのは、
雑誌『CLEA Traveller』を見て、ずっと憧れていたホテル。
新橋の駅から、地下を通り、汐留のコンラッド東京まで、
キャリーケースをゴロゴロ引っ張って、到着。
1階のロビーに到着すると、すぐにスタッフの方が駆け寄って来て、
『ご宿泊のお客様ですか?お名前をちょうだいしてもよろしいでしょうか?』と、
声をかけられ、緊張しながら名前を告げました。
1階のエントランスから、ロビーのある28階までをつなぐ
エレベーターの時間がすごく長く感じたのも、今では良き思い出…
何もかもが初めてで、緊張しながらも、
『初めて泊まるので分からないので、色々と教えてください!』と、
スタッフの方に聞いて、ホテルの使い方を教えてもらいました。
(お部屋のリモコンから、朝食の頼み方、プールでの過ごし方まで♪)
今でも覚えているのは、お部屋から見た『浜離宮』の景色。
その景色を見た瞬間、理由はなくとも、涙が溢れて来ました。
もう、傷つきすぎて、ちょっとしたことで涙してた気がします。
可愛いな〜私!と、今では笑えますけどね…(笑)
コンラッド東京のお部屋は天井が高く、窓も大きく取っているので、
窓辺に行くと、本当に空が近く感じられるのです。
目の前にビルなどがなく、東京湾が広がっているのも、
開放感を感じる1つの要因なのかもしれません…
その窓辺に座り、
ノートを広げて、自分の心に問いかけ、
自分の内側に深く入り込みながら、
コミュニケーションを取りながら夜までの時間を過ごしました。
ホテルのお部屋って本当に不思議で、
都会の喧噪が嘘のように、本当に静寂の中に存在しているんです。
何かに集中するために、ホテルを利用する方が多いのは、
この静かな空間が理由なのだと感じています。
静寂に包まれながら、
自分自身とコンタクトを取り、何度も問いかけました。
時に涙が溢れたり、色々な点がつながっていくことを感じ、
生かされていることへの感謝が溢れて来たり。
ここにあることの意味を感じてありがたいな〜と思ったり。
そんな心が揺らぐ時間を過ごしていました。
次の日には、コンラッド東京の水月スパへ…
初めてのスパは、涙が溢れて止まりませんでした。
人に優しく触れられることが、
こんなにも心を解きほぐし、癒され、心が満たされるのだと、
心と身体で実感したのはこの時。
満たされるというのは、満足とかそういった類いではなく、
「私はわたしであって大丈夫なんだ」
「ありのままの自分をもっと大切にしてあげたい」
というような、愛が溢れてくるような満たされ方…
セラピストさんの優しさ、声かけ、触れ方、
タオルワークにお部屋のお迎え、流れる音楽、
その全てから愛や優しさが伝わってきました…
「もっと自分を大切に扱わなきゃだめだ!」
「関わる人をもっともっと大切にしたい!」
施術を受けながら、何度も心の中で誓いました。
この経験は後に、私がセラピストとなった時にも活かされましたし、
今もサロンのコンサルティングや施術のチェックの際のベースになっています。
学生であっても、どんな私であっても、
まっすぐに「私」という人間に向き合ってくださり、
大事に扱おうとする姿勢が、あらゆる場所で感じられたのが
ホテルスパという場所でした。
無理に共通点を見つけて会話をしようとするのでもなく、
程よい距離感で、求めている言葉をそっと投げかけ、
ガラスに触れるように身体に触れていく感覚。
感性が研ぎすまされ、五感が呼び戻された瞬間でした。
コンラッド東京という場所で、
ホテルから優しさを受け取り、たくさんの愛情を感じました。
その後も、何か機会があればホテルに行くようになり、
東京で仕事をしている時は意識してホテルに行っていました。
ホテルという場所に行くことで、
心に向き合う時間が生まれ、
心が癒され、また頑張ろう!って思えたのです。
たくさんの優しさを感じて、
もっと人に優しくありたい。
心に余裕を持って、周りを見渡せる人でありたい、
と、思うようになりました。
贅沢がしたい!とか、優越感を感じる場所というよりも、
自分が自分を取り戻すような感覚を得る場所、
それが私の持つホテルのイメージです。
ひとりの人として「そこに存在することの価値」を大切にされていると感じるのです。
繭(まゆ)の中で、綿毛に包まれるような優しさと温かさが
ホテルにはあるのだと思います。
「自分って何だろうか…」と、
自分の存在をも否定していた21歳の私にとって
「あなたはあなたのままでいいんだよ」と、
大切にされる経験というのは、
心が癒されると同時に、頑張るエネルギーの源にもなっていきました。
そんな経験もあり、
ホテルって、自分に立ち返る場所だと私は思っています。
ある方にとっては、宿泊するだけの場所かもしれません。
ある方にとっては、贅沢をする場所かもしれない。
記念日を過ごす場所、打ち合わせの場所。
今だったら、女子会の場所になっているかもしれません。
人によって、ホテルの意味って違ってきます。
私の場合は、ホテルに行くことで、
自分をちゃんと大切に扱おう。
神様から借りている身体を愛おしもう。
置いてきぼりになってる自分の心の声に耳を傾けよう。
と、気づくきっかけになりました。
静寂と景色。
スタッフの温かい心。
きめ細やかなサービスのひとつひとつが、
五感にダイレクトに刺激として与えられる場所。
だからこそ、眠っていた感性が呼び覚まされ、
本来持っているエネルギーが動き出すのです。
あなたがもし疲れているのなら、
自分を見失いそうになっているのなら、
ホテルにある優しさや愛に触れてほしいし、
包まれてほしいと思います。
泊まらなくても、ラウンジで、
温かい紅茶を1杯飲みながら、
ゆっくり目を閉じて、遠くで聞こえる声や、
コーヒーカップをソーサの上に置く瞬間の音に耳を澄ませ、
遠くに浮かぶ雲を眺めているだけで、
世界が優しさで溢れていることを実感するかもしれません。
何かがストンと腑に落ちる瞬間があるかもしれません。
なんだか自分の持ってる悩みなんてちっぽけだな〜と感じるかもしれません。
これからも、ホテルという場所の生み出すエネルギーを感じ取りながら、
その魅力を伝えていきたいと思っています。
世界のホテル&ホテルスパの魅力を知り、
それを伝えられる人になりたい!
かれこれ10年以上、それを言い続けてきました。
これってただの執着なんだろうな…
もしかしたらホテルじゃなくても良かったのかもしれない。
と、ふと思うことがあります。
もし、私がこの時にディズニーランドに行っていたら、
『人生を変えるには、ディズニーランドで自分に向き合おう!』って言っていたかもしれないし。
スタバが大好きだったら、
『スタバでコーヒーを飲みながら、自分を取り戻そう!』って言っていたかもしれない。
私にとって人生を変える経験になったのが、
偶然、ホテルだったということです。
そして、ホテルの魅力に癒され、虜になってしまったということです。
ひとつ言えることは、
どんな場所だっても、どんな時であっても、
心の声に耳を傾け、自分自身に問いかけることは出来るってこと。
ホテルもひとつのきっかけになりえるし、
毎日、歩く道の途中の花に幸せを見出すこともできます。
ただ、10年前の私に言ってあげたい。
ホテルの窓から、浜離宮を見て、涙を流した自分に。
あなたは大丈夫。
ちゃんと生きていけるから。って。
そんな優しさと自分の感覚を取り戻すきっかけになった場所。
それがコンラッド東京であり、
私がオススメするホテルのひとつなのです。
最後までお読み頂き、ありがとうございます♡